2011年8月13日土曜日

放射能とこどもたち












西原公民館に、いま話題の
京都大学原子炉実験所、小出裕章教授が来た。

今日は、7年前、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した日。
そして、その時に調査に来て下さっていたのが、小出教授だったそうです。

当時、墜落現場の大学は米軍以外立ち入り禁止になり、
米軍は、放射能汚染された土をこっそり回収していたそうです。
米軍機はただでさえ劣化ウランを使った機体が多いと言うのに
ストロンチウム90まで載せていたんですね。

そして、長崎、広島の原爆の話。
1999年の東海村、臨界事故の話。
チェルノブイリの話。
人間の細胞の話から、
放射能が及ぼす細胞破壊の話まで。
たくさんの話を分かりやすく説明して下さいました。

「どんなに値が低くても、安全と言えることは決してない。
どんなに微量でも危険だ。」と、言い切っていた小出教授。
でもこれは本来、生物学的、生物物理学的なデータのもと
BEIRの報告で国際的に発表されていることなんだそうです。

それに、日本でもともと定められている規定だと、
福島や周辺の、放射能数値の値が高い地区は
本来、立ち入り禁止区域になるはずだと。
法律を変え、基準値を上げ、そこまでしてでも
国は国民を被爆させることを選択したんだと。

小出教授は、「なんの責任もない子ども達には、絶対に
汚染された食べ物を食べさせてはならない。」
と言う一方で、「いろいろ考えたけど、私のような大人、
原発を許してきてしまった大人達は、放射能の感受性が低いのもあるし、
責任を取って、福島の産業を守るためにも、汚染食品を食べるべき。」
と、提案していました。
そこまできっぱり言い切ってしまう小出教授。

どんなに批判を受けようと、声を大にして
原発と放射能の危険について教えてくれる専門家は、本当に貴重です。
このような専門家が、まだ日本にいてくれることに、
そして3.11のすぐ後に、小出教授とコンタクトをとって
講演会をお願いしていた、西原図書館館長さんと、
有志でこの講演会を運営して下さったボランティアの方々に、
心からの感謝とエールを送りたいと思います。

ちなみに、今回の講演会はUSTREAM配信され、
OCNでも放映されるそうです。

http://www.ustream.tv/channel/放射能と子どもたち
是非、見てみて下さい。

最後に、、

今回の講演会、決して大規模なものではありませんでしたが、
700名近くの人が集まり、そしてその中にはたくさんの避難者の方々がいました。
小出教授も、避難の相談をよく受けるそうですが、避難すべきかどうかは、
いつも「わからない」と答えるそうです。

それは、放射能に怯えてこのまま過ごすか、生活への不安に怯えて避難するか、
という選択であり、実際生活が大変になってしまっている避難者も多いのです。
会場には、涙ながらに放射能と生活への不安を訴えていたお母さんもいました。
それでも、どちらを選ぶかは、ひとりひとりの問題なので、私は何も言わないと。

私も、ホットスポットである松戸に姉家族が住んでいて、他の親兄弟もみんな
関東に住み続けていますが、何も言わないようにしています。
もちろん、3.11以降、家族のことも友人のことも、とっても心配してますが、
今回のことで意見が分かれて離ればなれになってしまっている人達が
実際たくさんいるということも事実。

放射能のことで意見が合わず、離婚、別居、家族と喧嘩、友達と喧嘩、、。
そんな話を聞いたり、実際私も、ある人と喧嘩しました。
こんな悲しいことってあるでしょうか?
こんな時だからこそ、みんなで仲良く協力し合いたいはずなのに。
私は、もうこのことで誰かと喧嘩したくないし、そんな話も聞きたくない。

そんな複雑な気持ちで、今これを書いています。

でも、やはりひとつ言えるのは、
なんの責任もない子ども達の未来を、
私たち大人は守らなければならないということ。
ただ、それだけだと思うのです。

0 件のコメント: